山に暮らせば

2010.10.21  蛍光時計の光程度しかないツキヨタケの光はほんの少しの灯りがあっても見えないし、写らない。今は満月に近く夜空が明るい。昨夜は幸運にも曇り。写真仲間に「今夜ツキヨタケの撮影に行こう」と声をかける。それぞれ忙しいのに快諾。神楽の練習があり午後11時に3人で山に入った。ツキヨタケはブナの古木に着く。昼間にキノコのある場所を確認しておかなければ夜になって見つかる確率は低い。仲間が目的の木を探してくれていたので後をついて行くが、夜の藪こぎは結構厳しい。昨年と同じメンバーで撮るので手順は解っている。
  撮影に入る。午前零時を回っていた。無気味と思えば無気味だし、クマの目撃情報のあった近くなので風の音にさえ敏感に反応する。しかしファインダーを覗けば無心。露光時間は1分から始める。真っ暗なので1.2.3.と数えながら時間を計るが2分なら誤差が2秒程度に収まる。数を数える間、会話はない。最終的に露光時間は3分までとした。新聞に掲載されていたツキヨタケの写真説明の中の露光時間30秒がふと気になった。
  真っ暗な森で3人が無言の時間を共有。若い2人は帰ろうとも言わない。こちらは眠いのだ。少し大きめの声で「撮影は午前3時で終了」と宣言。2人は冷え込めば雲海も撮りに行けたのにと言った。

山に暮らせば_e0091879_224844.jpg
大きなブナの枯木に着いているツキヨタケ。目が暗さになれてもほんのり白いかなと言った程度の明るさ。山の中で目立つような光を放ってるのではない。午前2時50分。露光時間は3分。(横着をしたのでノイズが出ました)

山に暮らせば_e0091879_233119.jpg
少し小さな木に着いていたツキヨタケ。数は少なかったが大きさは見事。午前1時13分。露光時間1分30秒。

by konno_noboru | 2010-10-22 02:10 | Comments(3)

Commented by ocarina21 at 2010-10-22 21:35 x
ツキヨタケ、素晴らしいですね。神秘的で、美しくて・・・。昨年(10月14日)と比べて、とても豪華ですね。でも、午前1時、暗闇の中の藪こぎ等々、素人にはとても撮れない写真だと、しみじみ思います。何の苦労もせず、こんなに美しく不思議な写真を見せていただくとは、なんと贅沢なことでしょう。食中毒の原因の多くは、このツキヨタケだと、無粋なことをネット検索で知りました。
Commented by 一ファン at 2010-10-24 10:24 x
長い間、ご無沙汰してしまいました。ご無沙汰しているうちに、猛暑がおさまり、はやくも冬の便りの聞かれそうな季節になりました。その前に紅葉をと思って訪問させていただくと、みごとなツキヨタケ、本当に神秘的ですね。人間の寝静まった深夜、山中でひっそりと光を放っているツキヨタケ、訪ねてくる昆虫でもいるのかもしれなせんね。珍しい写真を、ありがとうございました。
Commented by 山彦 at 2010-10-25 22:45 x
ツキヨタケの写真を見ているとデジタルカメラの技術の進歩に感心させられます。以前はこのような高感度で、しかも長時間の撮影には不向きだと言われていましたのに・・・
それにしても紺野さんのバイタリティには頭が下がります。
くれぐれも夜の撮影には気をつけてください。