山に暮らせば

2010.12.15 写真展の会場には15棟の展示室があり、1棟ずつ洋画、日本画、彫刻などに分かれる。出品されている先生の中の1人に「写真とは?」と聞かれた。ためらわず「一瞬の心の動き(感動)を凍結する作業」と答えた。しかし、心の動きを機器(カメラ)に託すのは難しい。それを人に伝えたり、教えたりすることはさらに難しい。新聞記者時代には「良い写真とは一瞬のシャッターチャンスの中で、事実を、真実を物語るのもの」だった。
日々考えているのは、写真塾の皆さんや芸北ファンに「いま芸北はこんな状況です」と1枚の写真にいっぱい詰めた情報を伝えること。写真の善し悪しは突き詰めれば見る人の「好きか嫌いか」になる。写真で飯を食ってきた人間だからたまには良い写真もあるかも知れない。しかし中にはおかしな、パワー不足の写真もたくさんある。そんな写真を褒められると恥ずかしい。読みとってほしいのは情報。「行って見たい」と感じていただければ1000の褒め言葉より嬉しい。
写真とはミラーボールのようなもの。100の鏡が一斉に光ることなどない。100人に良いと言われようと思うのは欲張り。たった1人でも良い「この写真が好きだ」と言ってもらえたらそれで満足。その時カメラマンと見る人の間に感動が共有されたことになる。
写真とは共有される感動が詰め込まれた玉手箱。

写真展の会場からの帰り。道路沿いにいくつか設置された温度計が芸北に近づくにつれ次第に下がり、芸北・溝口では-5℃を記録した。道路法面から排水される水がそばの草に飛沫となって飛び、冷やされて氷柱になる。八幡まで走る。風が強く道路に積もるはずの雪は低温と強風に飛ばされていく。これが八幡の雪の降り方だ。

 ※きょうの写真は不出来だ。芸北は冷え込んで雪が降っています-ということがわかってもらえたらOK。アメダスの積雪量のところが0㌢になっているが、計測点の雪が風に飛ばされたためかもしれない。ちなみに川小田は積雪5㌢。
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道路法面の排水溝から出た水が凍る。昼の間にこんなに凍るのは珍しい。冷え込みが厳しいのだ。

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道路に設置された温度計。やっと冬らしい数値が出た。

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亀山八幡神社参道にある鳥居にかかっていた注連縄が強い風に大きく揺れていた。

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田圃から吹き付ける雪。時々竜巻のように渦を巻きながら走る。

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柴木川でゆったりしていたのだろう。近づくと一気に飛び立った。こちらも驚いた。

by konno_noboru | 2010-12-15 23:08 | Comments(1)

Commented by ocarina21 at 2010-12-19 21:28 x
市内も、この日は寒くて、川岸にいると震えるようでした。それでも、芸北の寒さ・冷え込みは、桁違いですね。-5℃・排水の氷柱・竜巻のように吹きつける雪・横向きに降る雪・・・芸北の冬の厳しさが伝わってきます。驚いて飛び立つカモ、とってもきれいに撮られましたね。よく見るけれど、とても撮りにくい光景なのに。「写真とは・・・」の言葉を噛みしめています