山に暮らせば

2014/02/19  「Konさん」。思いがけないところで呼び止められた。声の主は雛人形が飾ってある店からゆっくり出てきて「元気そうですね」と言った。今立っているのは三次市上下町、雛祭りの会場になっている商店街。ここに若い知り合いがいただろうかと頭の中で懸命に記憶の糸を手繰るがまるっきりわからない。「誰? 誰だったかなあ」。相手は当方の反応の悪さを穏やかに見ながら「入社したときにお世話になりました。いま府中支局にいます」と言った。新聞社の後輩だ。だが10年以上前に退職したので同じ時期に編集局にいたのは1~2年だっただろう。おぼろな記憶を呼び覚まし現役時代を思い出しながらまた町をふらつく。
 上下町には雛人形を見に来た。5月に「日本の色」と題した写真展を計画しているので古い雛人形が着ている衣の色と親王雛の座っている畳の縁を見るためだ。雛人形の十二単や畳の縁の繧繝(うんげん)彩色を数多く見たいと思っていた。きょうはレンズがないので確認用だけに撮った。3月に再訪予定。

 総領町でセツブンソウが咲いたという新聞記事を見て他所は春が来ているなと思っていた。昨夜、市内で講座があり、そのとき塾生がセツブンソウの写真を見せてくれた。公開地すべてで咲いてるわけではないとのことだった。
 きょう芸北に帰る途中、突然吉舎町のユキワリイチゲと総領町のセツブンソウを見に行こうと自動車道を走った。ナビは付いているのだが初めての所ではないのでセットしなかった。記憶にない風景が展開する。道に迷った。
 遠回りしてユキワリイチゲの自生地に着く。誰もいない。蕾が多い。カメラはいつも持っているのだが、撮影する気持ちも予定もなかったので広角レンズ付き1台のみ。ロープから身を乗り出し撮る。次いでセツブンソウ自生地へ。撮影者が6人いた。広角レンズで撮る。
 ユキワリイチゲとセツブンソウを見てから14km離れた上下に向かう。

 家人がタブレットを持って近づいてきた。「いつまでフキノトウを見れば良いの?」と言ったのは昨夜のこと。やんわりと脅迫されたので広角レンズで撮ったものだが、アップすることにした。


井上さん いつも見ていただき感謝。
doriさん 元気ですか? 一度薔薇(バラ)を見せてください。ゴルフは年1回だけでスコアも最悪です。定年後はゴルフ三昧と思っていたのに-。


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親王雛が座っている畳の縁が繧繝錦。豪華で高貴な感じがする。

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ユキワリイチゲ。午後2時ころで少し陽が当たっていたので何となく開きかけた感じの花3つ。

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セツブンソウ。北側になる公開地はまだ雪が残っていたりして未公開。

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上下町の商家に咲いていた福寿草。自生地はまだ小さな小さな蕾。

by konno_noboru | 2014-02-19 23:51 | Comments(1)

Commented by 井上雅行 at 2014-02-20 00:17 x
フキノウトウの写真を見ながら「次は何かな」と考えていました。中国新聞にセツブンソウ記事が掲載された次の日、総領町まで撮影に行きました。まだ咲き始めでしたが何とか撮影して帰りました。ご存知だと思いますが、総領町の入り口に「五稜庵」という蕎麦屋があります。蕎麦定食は絶品です。上下町のひな祭り、東城の福寿草は撮影に行く予定です。県北にも春の足音が聞こえています。