山に暮らせば

2008.12.05 芸北は朝から雨と雪が交互に降り、夜になって雪。しんしんと降る。積雪は午後8時で1㌢くらい。今夜は芸北・川小田泊まり。
  川小田の雪の降り方は八幡に比べると優しい。木を揺るがせるほどの風もなく、静かに降る。
八幡は独特の降り方で、最初がアラレ。音を立ててばらばら降り、雷が鳴り、日本海から吹き上げる風に乗って粉雪が横殴りに降る。真っ直ぐ歩けないほど降る。まさにブリザード。少しだけ千町原で強い北西風を感じた。三脚やカメラを持つ手が痛いほど冷たかった。
 本格的に冬将軍がやってきたかな?

 昨日、臥龍山に上がった。雪霊水のところから左に入って掛頭山方向に向かう。驚いた。
大きなブナの古木が袈裟懸けに斬られたような形で立っていた。古木はすでに枯死してはいたのだが、その姿が堂々としていてサルノコシカケのようなキノコを見上げては歩いていた。世代交代なのだ。しかし、見上げる空はぽっかりと穴が開いたようになった。樹齢は200年以上だろう。広くなった空を新しいブナが覆うにはまた200年近い歳月がかかる。


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時折臥竜山の中腹が見える。すぐにまた横殴りの粉雪混じりの風に姿を隠す。茅ぼうとうの右(日本海方向)から雪は吹き付ける。


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八幡の田んぼは柔らかいところが多く、稲刈り機の通った後がきれいに残る。

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数え切れないほどの季節を繰り返して育ったブナは終わりを迎えた。倒れたと言うより途中で折れている。いつも通り訪れるのが夕暮れだったので、折れ口が遠くからでも色鮮やかに見えた。近づき正体がわかったとき身体が震えた。


さすが大物だったのだ。倒れて横になっているのを眺めて、改めて大きさに驚いた
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by konno_noboru | 2008-12-05 22:14 | Comments(4)

Commented by flora at 2008-12-06 13:07 x
こんにちは。吹きつける雪のなかで茅ぼうとうが寒そうですね。(*_*;
暖かいフリースなど届けてあげたくなりました。
長い年月を生き抜いた大木は倒れてもなお威厳がありますね。
これからキノコやコケなどを従えて存在感を増して行くのでしょうね。
Commented by koike at 2008-12-06 20:21 x
朝カーテンを開けると雪が舞っていました。
こんな時いつも思うんです 「芸北はどんなだろう?」 と。
茅ぼうとうに吹き付ける雪と風、切れるような寒さ冷たさが伝わってきます。
樹齢200年以上と言うブナの大木、私達の知らない空をいっぱいいっぱい見てきたこの大木、折れ口を堂々と天に向けた姿は神々しいさえ感じます。折れて尚、人の心を打ち、たくさんの事を教えてくれるこの古木に
時間を忘れて見入ってしまいました。
Commented by 3nanbo at 2008-12-06 22:06 x
お久しぶりです。すっかり冬ですねー。
寒々と雪の吹き付ける光景、冷たい風に凍える思いがしますが、人の生活が見える雪景色、と思うとちょっとホッとするものがあります。

気の遠くなるような永い年月、雨や風雪に耐え、林床を育み、たくさんの登山者を見守って来たブナの大木は、今ようやく腰を下ろすことができたのかもしれませんね。
   お疲れさま・・と声をかけてあげたいですね。
Commented by ocarina21 at 2008-12-06 22:56 x
芸北は、すっかり冬ですね。茅ぼうとうへの雪の付き方や茅のなびき方に、「横殴りの粉雪混じりの風」が感じられて、ストーブをつけているのに、とても寒くなりました。ブナの古木の終焉、痛ましいですね。でも、長い年月を生きてきて世代交代した堂々たる最後に、畏敬の念さえ覚えます。これから、真っ白な雪に覆われて、ゆっくり眠ることでしょう。春には、若い芽が・・・?