山に暮らせば

2021/10/16  
今年は花の咲く時期がよくわからない。撮り逃すと何となく寂しい気がする。今年はコロナ禍の影響で撮れなかったものもあり、昨日、日本海沿いの岩場に咲く達磨菊(ダルマギク)と細葉海菜(ホソバワダン)の咲き具合を確認のため益田市の山陰のモンサンミッシェルといわれる小浜町・宮ケ島の衣毘須(えびす)神社へ。
 例年、11月初めに出かけているのだが、達磨菊(ダルマギク)と細葉海菜(ホソバワダン)はともに神社近くの岩場に咲く。花はホソバワダンの方が一足先に咲きそろった感じで達磨菊は蕾が多かった。偵察程度の撮影を済ませ穏やかな海の砂浜を歩く。自分の影が驚くほど長い。若かりし頃に美脚パンツが似合ったら格好良かったのにと影を追いながら背筋を伸ばして歩いた。時間は午後5時を過ぎている。西日の悪戯である。

 きょうは土曜会。アサギマダラの撮影。蝶の滞在が長くすでに2週間を過ぎていたがまだたくさんいた。町役場芸北支所となりの文化ホール前にもアサギマダラは多く集まる。八幡の蝶より飛び方が緩やかで個体の大きさが少し大きいかなと感じた。
 午後から冷え込み、雨になった。アサギマダラはまだ居残っているだろうか。




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山陰のモンサンミッシェルといわれる宮ケ島。砂浜で続く小島。
海が静かなときは衣毘須神社に渡れるが海が時化ると渡れない。本家はフランスの修道院。




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岩場に咲く達磨菊 Ⅰ



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達磨菊 Ⅱ 



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ホソバワダン Ⅰ



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ホソバワダンⅡ



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足長じいさん。


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文化ホール前に集まったアサギマダラ。






# by konno_noboru | 2021-10-16 23:54 | Comments(1)

山に暮らせば

2021/10/14  

 10日、NHKの日曜美術館で動物写真家・宮崎学の「アニマルアイズ」が再放送されるという1本のメールが入った。突然、庄原市山手町の平等寺へ行こうと思った。平等寺は山岳カメラマン・田代宏さん(廿日市市阿品台出身)の眠る寺である。衝動的に気持ちが動いたのは、気持ちの中にいる宮崎学さんの延長線上に田代宏さんがいると思っていたからだ。

 田代さんは宮崎学さんの弟子であった。山小屋で働きながら南アルプスの写真を撮り続けていた。その彼が32歳の若さで北岳・バットレスで落石に遭い亡くなった。宏さんには一度も合ったことはなかったが、彼の死後、ご両親とは親しくなっていた。

 高速道路を走りながら鎖状につながる中央分離帯の白い破線が途切れ途切れの思い出を繋げていく。

 宮崎学さんに初めて逢ったのは現役時代、「動物たちは今」という企画もの取材のためだった。長野県駒ヶ根市の自宅を訪ね野生動物の撮影方法を教えてもらうためだった。

 その日、学さんは落石事故に遭い32歳で亡くなった田代宏さんの遺作写真集「南アルプス」の出版準備をしていた。傍らに段ボール箱に入った膨大なポジとモノクロのフィルムが入った箱があった。選び出した候補作をライトスタンドの上に広げて「良い写真が多くある。この段ボールは宝箱だ。出版したら、田代は一躍山岳写真家のトップ集団に入るはずだった。広島出身のすごいカメラマンがいたことを地元の人たちに伝えてほしい」と宮崎さんは言った。

 前後を考えず宮崎さんの願いに「写真展と新聞連載は約束する」と言ってしまった。宏さんのご両親に相談もしないで突っ走った無謀さを悔いたが、若いカメラマンの最後はきっちり始末してやる、といった気持ちはあった。

 新聞連載は報道部記者の協力でできた。スケジュールの決まった天満屋は格別の計らいで写真展会場を提供してくれた。飾る写真は宏さんが亡くなったとき友人がそれぞれの思い出にとプリントした70点の写真を貸してくれた。写真展のテープカットには長野県駒ヶ根市から宮崎さんも来てくれた。大勢の人に助けてもらい田代宏遺作写真展「南アルプス」は多くの人に感銘を与えたと思った。長野での宿題はきれいに裁けた。当時、写真展に力を貸してくれた人たちで「南アルプスの会」もできた。メールをくれたのも、その仲間の1人だ。

 山寄せにある平等寺の墓地。探しても墓はなかった。宏さんの死後、両親も亡くなり、残ったのは宏さんの妻・明子さんと娘の梢ちゃんだった。時が流れて明子さんは再婚、梢ちゃんも結婚して仙台で看護師をしている。残念ながら田代家のお墓を守る人はいなくなり、今年春、お墓は撤去されていた。これで田代家の人たちとの最後のお別れがすんだ。お寺の玄関に母親の東光会会員・田代秀子さんが描いた「梅の花」が飾ってあった。絵の右隅に平成19年1月 寄贈 廿日市市 田代秀子 と記してあった。梅の花は私の揺れ動く心を静かに抑えてくれた。



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田代さんの遺作写真集「南アルプス」。編者は山岳写真家 水越武と宮崎学。2人とも土門拳賞の受賞者。宏さんは2人の偉大な師匠の間で育った。

段ボール箱のフィルムを見たとき2人の大きな壁の間で生前、自作を発表をためらったのか。ふと、最初で最後の遺作集の重さを思った。




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母親・秀子さんの作品。東光会の絵画展でいい絵を見せてもらっていた。額縁にガラスがあり、周辺が映り込んでしまう。






 

 20111010日、深入山で竜胆(リンドウ)の花を撮影中に異変に気づき、12日に加齢黄斑変性と診断された。効き目の右だったので写真は撮れず、車の運転もできなくなるかもしれないと不安を抱いた。10年が過ぎ、目の中心部分で色が見えにくいことが起きているだけで、全く不安はない。月1回芸北から五日市・楽々園駅近くのそえだ眼科に通う。

 動きの速いアサギマダラも余裕を持って望遠レンズで追うことができる。コロナ禍での自粛で活動範囲を狭めていたが、すこしずつエリアを広げたい。コスモスはお寺に行く途中で見かけた。





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アサギマダラ。芸北滞在は2週間を過ぎた。いつまでいるだろうか?






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秋桜。道路脇に咲いていた。





 


# by konno_noboru | 2021-10-14 20:03 | Comments(3)

山に暮らせば

2021/10/09  カメラを手に思うこと。昨日より良いものが撮りたい! ただそれだけ。数多く撮っても、これだというのは撮れない。逃げていく逃げ水のようなもの。追いかけていけば逃げていく。運不運もある。振り返れば写真歴涙の50年というところか。
 コロナ禍でほとんど遠出もなかったので少し足を伸ばす。2年ほど行っていない大田市温泉津町のヨズクハデを見に行く。6mの丸太4本で組み上げ、収穫した稲束を架けていく。芸北などで見かける横に長く広げる稲ハデと違って立体的。数年前までは5組くらい並んだが、組み手が高齢化したり、コンバインで刈り取る農家が増えてヨズクハデは減った。無形民俗文化財だが、今年は地元温泉津小学校の子供たちが組み上げた1つだけになった。
 
 散歩は1時間コース。階段のきつい大仙神社で亀甲白熊(キッコウハグマ)を探す。少し背の高い閉鎖花は目につくが、白い小さな花はまだあまり咲いていなくて2株だけ。岩蓮華(イワレンゲ)は範囲を少し広げている。子供の頃に食べた通草(アケビ)。一口食べたが子供の頃の懐かしい味とは思えなかった。嗜好が変わったためか。




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1つだけになったヨズクハデ


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津摩漁港から。左の島は高島。雲の中あった太陽が沈むに従って丸く見えたが、だるまにはならなかった。



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 亀甲白熊(キッコウハグマ)


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岩蓮華(イワレンゲ)


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岩蓮華


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通草




# by konno_noboru | 2021-10-09 02:16 | Comments(2)

山に暮らせば

2021/10/05  渡りをするアサギマダラが芸北にやってきたのは7月。南の国からの長旅。飛来したアサギマダラは白いヒヨドリバナの花に集まった。ゆったりと優雅に飛んで花に止まるアサギマダラの数は例年に比べ激減していた。そしてまもなく、姿を消した。
 9月30日、、「アサギマダラが帰ってきたよ」と連絡が入った。20頭、30頭と次第に増え、100頭を越えたからお知らせしても良いと言うことだった。南に帰る蝶は夏よりも数を増して赤いフジバカマの上を舞った。フジバカマは休耕田に植えられている。多くを育てるのが難しい花は見事に咲いていた。近づいていくと花の中からわき出るように蝶は飛び出した。羽ばたきより滑空する姿が好きなのだが、夏よりも忙しく飛んで花に戻った。花が咲いている間は滞在する。
 私の芸北の座標の中心は大歳神社。カキツバタの里の道を隔てて咲く蕎麦を最近はまず撮らない。大歳神社の西に咲く蕎麦が咲くのを待つのだが、今年は8月9日の大雨で大歳神社一帯は冠水し、蕎麦畑にも水が来た。咲くかどうか不安で9月23日に見に行ったが、2週間後がピークではないかと思った。きょう、地主に畑に入らせてもらうようお願いし、撮った。大歳神社周辺の田んぼの稲刈りが終わり、田んぼの藁を燃やす煙が霧が流れてくるように神社を覆った。

 午後から雲月山。肌を刺すような熱い日差し。ムラサキセンブリはやはり今年は不作か?



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もっと多数飛ぶこともあるが、あまり多い写真はきれいに見えない。これくらいの数の写真がちょうど良い。


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満開の蕎麦畑。田んぼの藁を燃やす煙が動きのない絵柄の雰囲気を変えた。



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やっと見つけた4本のムラサキセンブリ。草丈が低く、なかなか見つからなかった

# by konno_noboru | 2021-10-05 21:40 | Comments(4)

山に暮らせば


2021/10/01  コロナの緊急事態宣言とまん延防止措置は9月いっぱいで解除となった。「このまま確実に押さえ込めれば、お酒や旅行が楽しめる」。県知事の発言を聞きながら6波、7波は本当に来ないのかと不安は残るが、うつむき加減だった気分は少し上を向く。
 散歩の延長線上の登山は雲月山と深入山。それぞれ2回ずつ登ったがどちらの山も人は多い。山頂からの眺望が素晴らしいことが多くの登山者を集めるのだろう。
 深入山も雲月山も二年連続で山焼きが中止となった。ムラサキセンブリの季節になったが、蕾を持った小さなものが少し見えたが草の勢いが強くほとんど見つからなかった。山焼きがなかったことで他の草の勢いに負けたのか、それとも花の時期が遅れているのか。改めて登るしかない。
 雲月山で出会った登山者からアサギマダラがたくさん飛んでいた、と聞いた。場所確認に行ったが地域的には島根県になる。蝶が集まっているのは旬を過ぎたアザミの花だった。芸北にも蝶は集まっていると聞いていたので八幡へ。きれいに植えられたフジバカマの花に群れていた。



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きれいに咲きそろったフジバカマの上を舞うアサギマダラ


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この時期に見るアサギマダラは羽が痛んでいるのだが、
きれいな蝶がそろっていた


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まだ小さいムラサキセンブリ



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登山道に咲くウメバチソウ


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盆栽のように形の整ったマツムシソウ




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ほっぺたに赤い印があるキバナアキギリ。沼田と芸北で見る。



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深入山西コースでたくさん咲く。ほっぺに赤い印がない。

# by konno_noboru | 2021-10-01 19:39 | Comments(7)