山に暮らせば
2009.12.07 苅尾山に登った。誰もいない。誰にも出会わない。昨日、小雪が舞ったのだろうか北西に面した斜面だけが、少し白くなっている。いつもの12月と同じように霜柱もあるし、山から出た水がしぶきになって飛び、大きな氷柱が出来る場所も変わらない。
雪霊水の近くに花束が3つ、4つ置いてある。少し離れたところに赤いチューリップ1輪だけが花を谷に向けて捧げられている。谷を眺めればいつもと同じ風景。葉も無くなった森に弱い日が差し込む。
傾斜地の木にピンクのテープが目印のように下がっている。テープの重要性も意味もわかる。テープから離れたところを歩いていても自分が探しているものに気づいて鳥肌が立つ。まだ他に残っているのなら、こんな寒いところから1日でも早く暖かい四国に帰らせてあげたいと思う。
土曜日、電飾に彩られ、ジングルベルが聞こえる平和大通りを歩いた。多くの人に行き交い、子供の歓声や若い女性の華やいだ笑い声も聞いた。山道を歩きながら無言の女の子と笑い合う女の子の姿が振り子時計のように行ったり来たり頭の中で揺れ動く。ここは悪夢の臥龍ではない。苅尾だ。
by konno_noboru | 2009-12-07 18:25 | Comments(3)
いつもと同じ営みを繰り返している臥龍山・・
訪れる人の以前とは違った思い・・手向けられた花、
胸に痛みが込み上げてきます。
もうじき雪に閉ざされてしまうのですね・・
先日行った窓が山でも、10年前に氾濫が起きています。間違いなくこれも自然の側からの「反乱」だと思っています。今は巨大な砂防ダムが出来上がっていますが、何かが違うような気がしてなりません。