山に暮らせば

2015/04/01  きょう写真展の全作品のプリントが終了したと石州和紙会館から連絡があった。三椏(みつまた)を原料にしたもの、楮(こうぞ)を原料にしたもの、紙の厚さも写真によって変えてもらう。薄い紙にプリントしたものは硬い和紙で裏打ちをお願いした。結構難題もお願いした。準備も最終段階である。

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                  今回の写真展のごあいさつ

 茶人・千利休の利休七則を知ったのは茶会の席でした。茶を学ぶ者にとって基本となる心得が利休七則です。その中に「花は野にあるように」とあり、心が動きました。花が咲いていた状態を感じさせる姿に活けることであって、咲いていた状態を再現することではないということです。
 その心得はカメラマンと同じだったのです。写真はありのままの像を記録したに過ぎません。ただ単に花に向かうのではなく 野に咲く一輪の花に宿る美しさと自然から与えられた命の尊さを知ることです。命の輝きが見えなければ1枚の写真の中に気持ちを封じ込めることは出来ません。技巧は加えず、花の持つ美しさを尊重してこそ一輪の花に命を与えることが出来るのだと思います。
 茶花は日本の花・和花です。和花に挑戦したのは季節の移ろいの中で生きる山野草の命の輝きを表現したかったからです。和花を印画紙ではなく手漉き和紙と組み合わせたらどんな表現が出来るのだろうかと好奇心が沸きました。絵画的写真になるのだろうか? それとも草木染ローケツによる細密な染色画のようになるのだろうか?
 手漉き和紙にプリントすることの難しさを想像していませんでした。困難な作業でしたが浜田市三隅町の石州和紙会館の若い人たちがプリントし、仕上げてくれました。茶花という難しい題材の再現が十分できただろうかという不安はありました。高齢化が進んだ塾生が挑んだ作品です。「野にある花のように」と利休七則とは違った表現にしました。
 

by konno_noboru | 2015-04-01 23:30 | Comments(3)

Commented by flora at 2015-04-02 08:04 x
いいね👌👌
Commented by asahigaoka32427 at 2015-04-02 08:40
いよいよ作品が出来上がりましたね。和紙にプリントする事の難しさ、我々には想像もできません。先生と協力してくださった方達の努力と執念の賜物ですね。今回のテーマにも先生の造形の深さが表れていて、今年も訪れる人の期待の詰まった写真展になりそうですね。楽しみにしています。
Commented by 青い鳥 at 2015-04-02 09:53 x
どんな作品展になるのでしょうか。楽しみです~!